ページの本文へ

Hitachi

日立メディカルコンピュータ

近畿大学医学部附属病院(940床)

大阪府大阪狭山市
導入製品:べてらん君コラボ

導入事例

大阪府南部の唯一の大学病院として、地域医療の中核的な役割を担っている近畿大学医学部附属病院(大阪府大阪狭山市大野東377番地の2、工藤正俊病院長、病床数940床、26診療科)は平成22年12月、日立メディカルコンピュータ株式会社(東京都品川区西五反田1-31-1・日本生命五反田ビル)のレセプトチェックシステム「べてらん君」を導入し、精度の高いDPCレセプト院内審査を実現しています。そこで、同病院事務部医療支援課の生田勝也課長補佐に「べてらん君」の導入効果等を聞きました。

病院新聞 2012年3月8日 掲載

チェック機能が充実。使い勝手が非常に良い。

― 『べてらん君』の導入時期はいつですか。

生田 テスト期間等もありましたが、本格的稼動は平成22年12月からです。

― 導入理由を教えて下さい。

生田 レセプトチェック作業は、業務の委託化により、担当者の異動や専門知識をもったスタッフの減少によって、チェックの質が落ちてしまうという状況が続いていました。

当院では元々、他社のレセプトチェックシステムを導入していました。しかし、同システムは出来高レセプトチェックだけが可能で、DPCレセプトのチェック機能がないため、入院レセプトチェックには使用できず、外来レセプトのみで使用していました。

入院レセプトは、DPCになってからは、出来高評価部分の診療行為が少なく、レセプト点検自体は労力がかなり減り、査定も減少していました。しかし、DPC導入から時間がたち、DPC導入以前の出来高制度を経験したスタッフが少なくなってくると、DPC導入後も約10%ほど残る出来高レセプトや退院時処方等の出来高部分のチェック漏れが増加し、病名漏れによる査定が増加傾向にありました。

そこで、DPCにも対応したレセプトチェックを行えるシステムの導入を検討することになりました。システム選定にあたり、各病院で実績のある3社のレセプトチェックシステムの中から検討を重ねた結果、日立メディカルコンピュータの『べてらん君』を選択しました。

― 『べてらん君』を選択された主な理由は何ですか。

生田 全体的な点検機能はどのメーカーとも同じような機能が備わっていたのですが、DPCの部分でのチェック機能が他社のシステムより、充実していて使いやすかったことです。

また、『べてらん君』は、他社のレセプトチェックシステムと比較しますと、チェックスピードが速く、レセプト件数が多い当院では、レセプト期間中の運用なども含めて検討すると、チェックスピードも重要な選択要因のひとつとなりました。当院では、レセプトの出力作業を電算機のオペレータ会社に委託していますが、そこのスタッフからも、レセプトの機械チェックに要する時間が従来の5分の1程度に短縮され、レセプト出力業務が効率化されたと聞いています。

また、細かいチェック機能で言うと、手術や処置等で必ず使用する医療材料等をセットでチェックするように設定しておくと、手術・処置時の材料の請求漏れチェックもかけることができ、大変助かっています

病名漏れチェックに関しても、今までのシステムでは行えなかった、ひとつの薬剤に対して、レセプト電算病名が2ついるパターンのチェック、例えば、「リーバクト」という薬剤に対しては、「非代償性肝硬変」という病名と「低アルブミン血症」という病名が必要なのですが、これらの病名組み合わせのチェックもできるようになったこと。術前検査や術後の内服薬もパターンを設定しておけば、余計なチェックがかからない等、マスタ設定次第でチェック精度がよくなっていくことも運用上非常に助かっています

一方、DPCレセプト院内審査支援の部分で言いますと、DPCに包括されている部分の診療行為も病名漏れチェックを行い、レセプトに記載されていない傷病名も含めて、システム的に各診療行為は、どの傷病名に対して行われたかの積算をし、医療資源を最も投入した傷病名の候補を抽出する機能も非常に興味深い機能です。もちろんこの点に関しては、システムのチェックだけでなく、医師や診療情報管理士ともう一度カルテを確認しなおす必要もあるのですが、チェック精度はあがります。

その他にも搭載性能と価格など多角的な面から総合的に判断して『べてらん君』を導入しました。

― 医療システム導入の問題点として挙げられている導入後の支援体制について教えて下さい。

生田 導入前に試験的に使用していた時に様々な要望を言わせてもらいました。それに対して日立メディカルコンピュータは、インストラクターが直接来院して設定のサポートをしてくれました。さらに、その時の要望も具体的にフィードバックして頂き、設定に反映させてもらっている部分があります。そういう面では、現場で使える形に設定してもらうというスピードは早かったです。特に、担当者が来院して直接話をしながら設定等を行ってもらえた事は大きかったです。

また、レセプトの内容等、医療事務の経験と知識を持っているスタッフが対応してくれましたのでスムーズに導入できました。システムエンジニア等の専門家が来院して設定するメーカーもありますが、医療用語等言葉がかみ合うまでに時間がかかる等の不便もあります。

しかし、日立メディカルコンピュータはシステムと医療事務の両方に長けた担当者が対応していますので、導入もスムーズに行えました。

― 『べてらん君』の運用状況と実際に活用して気づいた点について。

生田 毎日レセプトチェックを行いたいと考えたこともあったのですが…。レセプト電算データを毎日作成しなくてはならない事から毎日のチェックはできていません。そこで、今は月2回のチェックを行っています。これまでの運用で感じたことは、使い勝手は非常に良いです。

― 近大附属病院での月単位のレセプト件数と運用は。

生田 当院のレセプト件数は、入院が約2,300件、外来が約36,000件です。これを月2回チェックしています。20日すぎに1回目のチェックを行い、次は翌月の初めに前月分すべてのチェックを行っています。

― 具体的に導入後の違いはありましたか。

生田 「病名漏れ」の査定に対しての効果は、導入後すぐに月120〜130万円前後の病名漏れによる査定が減少しました。なので、導入コストはすぐに回収することができました。

― 今後期待する点は何ですか。

生田 初期設定の部分ですが、自院の現状にあったマスタ設定を行う際に設定する時間がかかってしまいました。この部分を初期設定版だけでなく、地域や病院規模に合わせたある程度のマスタ設定が行われたものも用意していただくと、導入もさらにしやすくなるのではないかと思います。

― 各大学病院でもレセプトチェックを積極的に進めていますが、私立医科大学での「レセプトチェック」導入事情について教えて下さい。

生田 私立医科大学では毎年医事研究会というものが開催されており、昨年秋に当院が司会当番で「レセプトの査定返戻対策と増点の取り組み」についてのテーマで、事例発表や討論を行ったのですが、査定返戻対策については、レセプトチェックシステムの話題が最も多かったです。導入状況は、ほとんどの病院でなんらかのチェックシステムが導入されており、その中でも『べてらん君』の導入病院は多かったです。

― 今後の要望について教えて下さい。

生田 「レセプトデータ」を活用した分析機能を拡充してもらうと助かります。それにより、病院経営を支援できる等色々な使い方が可能になると思います。現在、医事会計システムのメーカーは「標準統計データ」等を提供してくれていますが、個々のデータ抽出条件を組み合わせての抽出機能はありません。レセプトデータは使い方によってはいちばん統計がとりやすいので、そのデータ資源を利活用して求めているデータを抽出してくれるようなシステムがほしいです。

― 地域連携システムについて。

生田 今回の診療報酬改定からも地域連携はますます重要度が増してくることがわかりますが、当大学も地域連携の取り組みを進めているところであります。その際、紹介先の病院・紹介を受けた病院のデータをどう集約・管理できるかなのですが、管理するシステムがばらばらであったりして、うまく集約できていないのが現状です。

診療報酬改定でも連携にかかわる部分での加算に財源が多く配分されています。また、特定機能病院や500床規模以上の病院では、外来縮小の取り組みも求められています。そうしたなか、どういう患者を地域に返すかという事を分析するには「レセプトデータ」を使用するのが一番わかりやすいと思います。現在は、その分析が簡単にできませんので、レセプトデータを活用した分析が手軽にできるシステムができればありがたいと思っています。

― 今後期待する点について教えて下さい。

生田 入院はDPCデータの活用により、疾病分析ができるようになったのですが、外来もレセプトデータを活用して、ある程度グルーピングしてくれる様なソフトがあれば良いです。こういう病名で、こういう処置をしている人が多いとか、こういう薬を出している人がどの程度いるとか、そのへんの統計機能があれば良いと思います。レセプトチェックにとどまらず、データの二次利用、経営分析に使えるような機能を充実していってもらえればと、期待します。