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Hitachi

日立メディカルコンピュータ

岩国市医療センター医師会病院(201床)

山口県岩国市
導入製品:べてらん君コラボ

導入事例

岩国市医療センター医師会病院(山口県岩国市室の木町3-6-12、正木康史センター長、病床数201床、18診療科)は、山口県下で初めて承認された地域医療支援病院として、地域住民への質の高い医療の提供に努めています。同院では、レセプト審査のコンピュータ化が進む中、平成23年2月から、日立メディカルコンピュータ株式会社(東京都品川区西五反田1-31-1・日本生命五反田ビル)のレセプトチェックシステム「べてらん君」を導入し、業務の効率化を図っています。そこで、同院の医事課長/診療録管理室長に「べてらん君」の導入理由、効果等を聞きました。

病院新聞 2012年9月27日 掲載

処理能力が早くDPCチェックも可能

― レセプトチェックシステム導入以前の状況をお聞かせ下さい。

課長 前々から、レセプトチェックシステムを導入したいと考えていました。しかし、機械でチェックを行うことで効率が上がる一方で、職員のスキルが担保されるのかというジレンマがあり、なかなか踏切がつきませんでした。つまり、「レセプトチェックシステムがチェックするから少々間違ってもいい」という解釈が職員の間に生まれては困ると思ったからです。

私は「日々の計算を解釈通りに間違いなく積み上げていき、ひと月分のレセプトを作った場合、修正箇所はないはず」という持論があります。レセプトチェックシステムを導入することは、自分たちのレベルが低いことを暗に認めることになり、自分たちには技能や能力がないと言っていることになりますから、なかなか計画が進みませんでした。

― では『べてらん君』導入に踏み切った理由は?

課長 社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)がコンピュータチェックを進めていっているという状況下において、請求する我々も同じ土俵で戦う必要性を感じました。ルーチンで行うレセプトチェックを、わざわざ人件費をかけて人間が見る必要性があるのか考えたときに、レセプトチェックシステムを導入しようと考えました。

色々と周囲の意見を聞き、『べてらん君』は評判が良かったことと、数社のカタログを比較してDPCのレセプトチェックができることなどから、インスピレーションで『べてらん君』を選びました。

22年11月にデモンストレーションに来ていただきました。第一印象は「処理が早い」でした。しかし、「減点は減らないですね」とはっきり伝えました。導入に関しての葛藤はありましたが、支払基金のレセプトチェックが本格化してくるという話が出たことから、『べてらん君』の導入を決め、23年2月から稼働しています。

― 導入効果はいかがですか?

課長 コンピュータでチェックされることに対して、ある程度コンピュータで対応できるようにしておかないと、人間の目は、気分や感情、体調等でバラツキが若千出てきます。ただし、右から左にコンピュータチェックをかけているわけではなく、チェックしたレセプトを、もちろん我々も確認をしています。

査定に関しては、入院の減点については、20年度が0.09%、21年度が0.10%、22年度が0.13%、23年度が0.10%です。率としては『べてらん君』を導入してもあまり変化はありません。ただし、支払基金の発表によるとコンピュータチェックが入ることによって、減点件数が増えているということですから、そうした状況を鑑みると、もし『べてらん君』が入ってなかったら、減点が増えていた可能性は否定できません

外来についてはDPCの影響を含みませんので、21年度が0.16%、22年度が0.20%、23年度が0.14%です。最もミニマムな値が、21年度が0.10%、22年度が0.08%、23年度が0.04%です。外来に関しては『べてらん君』導入効果が出ていると思います。

また、『べてらん君』はイニシアルコストもランニングコストもお手頃です。

― 『べてらん君』の運用状況と月単位のレセプト件数を教えて下さい。

課長 当院では、毎月8日頃にオンライン請求を行います。外来に関しては、請求が終わった月中11日くらいから、だいたい毎週月曜日に『べてらん君』でチェックをかけて、そのつどレセプトのチェックと修正を行います。『べてらん君』でチェックした後に、月初にドクターチェックを行ってもらい、ほぼ1週間をかけて医師に病名を直してもらう作業を繰り返しています。

さらに、伝送する日の朝に再度『べてらん君』でチェックをかけます。エラーが出た場合は目視でチェックを行い、レセプトを伝送しています。もし、レセプトチェックシステムでのチェックが3時間もかかっていたらこのペースでレセプトチェックは出来ません。このスパンでどんどんチェック出来てありがたいです

入院は、DPCレセプトのチェックも行いますが、外来とほぼ同じ流れです。23年度までの一番ミニマムな減点は0.03%でした。

レセプト件数は、外来が3,000件、入院が400件です。

『べてらん君』の良い点は、スピードの速さです。他の医療機関の方から『べてらん君』について聞かれたら、「だいたい、1,000件を1分でチェックするから早いよ」と伝えています。速さは得です。3時間や丸1日かかっていては、ひと月に何度もチェックすることができません。

スタッフの残業時間短縮 病院経営にも貢献

― 導入後の違いは?

課長 時間の短縮ができています。従来は、一般職員が1次チェックをして、主任、もしくは私が再度チェックを行うダブルチェックを実施していました。現在は『べてらん君』でチェックをしているので、私は、基本的にどうしても判断できない部分だけをチェックするようにしています。

― スタッフの方の業務時間は短縮していますか?

課長 従来は月末、月初の残業時間が飛びぬけていましたが、それが減ってきました。夜の8時頃まで残業していましたが、7時に終わって帰れるようになりました。時間外業務の減少に繋がっています。結果的に人件費が下がっているため、病院経営にも貢献できていると思います。

また、今までは、入院のレセプトチェックの担当者は5人でしたが、現在は4人で実施しています。これは『べてらん君』の効果だと思います。私もスタッフと同じペースでダブルチェックを行う必要がなくなりました。

― その他に、良かった点はありますか?

課長 特に薬に関して非常に助かっています。現在は、一般名処方やジェネリック薬など薬の種類が多いため、先発品だけを覚えていれば良いという時代ではなくなりました。医薬品名を調べる手間が非常に煩雑ですが、月に1回、最新の医薬品情報を送っていただけるので、非常に助かっています

また、『べてらん君』はチェックが厳しいですが、削除方式で、必要ないチェックを外していける楽な点も良いですね。

― では、『べてらん君』に対して今後の要望はありますか?

課長 要望は、担当の方にどんどん伝えています。例えば、既に解消してもらいましたが、退院した人だけをチェックする機能が無かったので、指定した期間に退院した人だけをチェックする機能を付けてもらいました。これまでは、医事課のコンピュータではじき出していたので、すごくありがたいです。今後は、指定した期間に外来へ来院した人だけをチェックできる機能があると助かります。また、前回チェックした人はチェックしないという機能も欲しいです。

欲を言えば、DPCのチェックスピードがもう少し早くなってくれたら助かります。

また、重箱の隅をつつくようですが、レセプト印刷モードにするときに、ゴシック体ではなく、明朝体で印刷できるようにしてもらいたいです。病院全体でコストダウンを図っていますが、ゴシック体はトナーの減りが早いためです。

― 今後、レセプトチェックヘの取組みについて、病院全体としてどのように取り組んでいかれますか?

課長 保険医療機関として、診療報酬形態、療養担当規則に準拠した医療を行っていきたい一ということが大前提です。ですが、それとは別に、医師に対してはエビデンスに則った医療をしていただきたいです。

医師がちゃんとした医療を行っていない、ということではなく、基本的にエビデンスに則った医療を行うと、療養担当規則に則った医療になっているはずです。そうした医療をしていただければ、我々医事課も良いレセプトを作ることができます。

また、私個人の考えですが、医事課と診療情報部門の職員に関しては、全員診療情報管理士にしようと考えています。医療機関で働く事務職のうち、経理や労務担当は除き、医事課や診療情報部門、ドクタークラークといった事務職に関して、診療報酬体系を知っているからプラスになる時代はもう終わり、これからは診療情報を色々知っていて当たり前になってくると思います。

DPC請求にはICDコードが重要になりますし、がん登録のTNM分類のこともちゃんと知っておかなくてはいけません。病院によっては診療情報部門が対応すればよい、という解釈をするかもしれません。しかし、私としては、診療報酬形態に則るものであるため医事課が担当して当然だと考えています。医事課の職員は診療報酬だけを知っていたら済むのではなくて、診療情報まで理解できる証明として、診療情報管理士の資格を取得する方向に持っていくようにしたいです。

現在、医事課に17名、診療録管理室に2名、ドクタークラークとして1名のスタッフが在籍しています。このうち、診療情報管理士の資格を持っているスタッフは、医事課に7名、診療録管理室に2名います。今後は、現在、通信教育を受けているスタッフのうち、来年から再来年までに4名程度が資格を取得できる予定です。